「遠方にあってなかなかお参りできない」「後継者がいない」「子どもに負担をかけたくない」──そんな想いから、近年「お墓じまい」を検討する方が増えています。

けれども、「何から始めれば？」「ご先祖様に失礼じゃないの？」と不安になることもあるでしょう。

この記事では、「お墓じまい」の基礎知識と進め方、注意点についてわかりやすくご紹介します。

1. お墓じまいとは？

お墓じまいとは、現在あるお墓を撤去・整理し、遺骨を別の場所に移すことです。

お墓の管理が難しくなった場合に、**永代供養墓や納骨堂、樹木葬などに改葬（かいそう）**するケースが多くなっています。

2. なぜお墓じまいが増えているの？

近年、お墓じまいを選ぶ理由は以下のようなものが挙げられます：

• 遠方でお参りが難しい
• お墓の継承者がいない
• 管理費や維持費の負担が重い
• 子どもに負担をかけたくない
• 夫婦だけで納まれるコンパクトなお墓にしたい

少子高齢化や都市部への人口集中など、時代の流れによる選択と言えるでしょう。

3. お墓じまいの基本的な流れ

お墓じまいには、**「行政手続き」＋「遺骨の移転」＋「墓石の撤去」**というステップがあります。

Step1｜親族への相談

親族間でトラブルにならないよう、事前に十分な話し合いが必要です。

Step2｜受け入れ先（改葬先）の確保

永代供養墓や納骨堂など、遺骨の移動先を先に決めておきましょう。

Step3｜改葬許可申請

今あるお墓の市区町村役所に「改葬許可申請書」を提出します。受け入れ先からの証明書が必要です。

Step4｜閉眼供養（魂抜き）

住職に依頼し、墓石から魂を抜いていただきます。宗教儀礼のひとつです。

Step5｜墓石の撤去・遺骨の取り出し

石材店に依頼して、墓石を解体・撤去。遺骨を丁寧に取り出します。

Step6｜改葬・供養

新たな供養先へ遺骨を移し、法要などを行って完了です。

4. お墓じまいにかかる費用の目安

内容によって費用は変わりますが、以下が一般的な目安です：

※複数の遺骨がある場合や、山間地・離島などでは費用が高くなる場合もあります。

5. お墓じまいの注意点

　　・親族全員の理解を得ることが大前提
　　　　勝手に進めるとトラブルの原因に。相談・説明は丁寧に行いましょう。

　　・改葬先を決めてから動く
　　　　移転先が決まっていないと、行政手続きが進められません。

　　・宗派や菩提寺への配慮を忘れずに
　　　　寺院墓地の場合、住職への相談や了承が必要なこともあります。

6. まとめ

お墓じまいは、「大切な人を想う、新しい供養のかたち」です。

決して「お墓を放棄すること」ではなく、これから先も大切に故人を供養していくための前向きな選択とも言えます。

不安なことがあれば、石材店や葬儀社、または供養の専門家に相談するのがおすすめです。

［補足］自宅葬・法事との関係

お墓じまいのタイミングで法事を行ったり、自宅での小さなお別れを検討される方も増えています。
「自宅葬のサトリエ」では、こうした改葬や法事に関するご相談も対応可能です。
お気軽にご相談ください。